実に多いご質問でしたので、ご説明させていただきます。
A
日本人の長所でもありますが、日本の理美容師さんはとても勤勉です。
マッサージ、シャンプー、ブロー、パーマ、縮毛、カラー、ヘアカット。
場合によっては、ヘッドスパ、エステ、シェービング、着付け、アップ、メイクもやりますよね。
近年、理美容室の多様化されたメニューは、お客様を迷わせてしまっています。
お客様は分かりやすい店を選びたいのに、オーナーは売上を確保するために色々やってしまう。
色々やっている美容室はいっぱいあるので、何処のサロンが良いが迷う。こんな繰り返しです。
業界誌の記者さんから、取材時にお聞きした事があるのですが、
色々学ぶ理由は?という問いに対して、『周りが色々やっているから』と答える人が多かったそうです。
おいて行かれるという漠然の不安の連鎖が、そうさせるそうです。
幅広くやる事の全てが悪いという訳ではありませんが、
何かを突出させるには、何かを捨てる勇気も必要です。
それを、優先順位の逆 劣後順位と言います。
かの有名なスティーブジョブズは、いつも同じ服を着ていたことは有名です。
それは、服を選ぶという無駄な時間を排除して、自分にとって一番大切なことに時間と労力を使うためでした。
スティーブジョブズが、解雇されたアップルに復帰した1997年には、
まず、製品数を7割減らす目標を掲げました。
そして、残りの3割を『宝石』と呼び、その製品にエンジニア達を集中させ、アップルを立て直しました。
私がヘッドスパを託し、新技術の研究者になった事や、ヘッドスパプロデューサーになり、
各オーナーさんにサロンマネジメントを任る決断に至った事も、
全ては、やるべき事に集中するための決断です。
時間は有限です。何かを捨てなければ、何かを突出する事は出来ないのですから。
そして、その恩恵は、何かを捨てた人にしか分からないと思います。
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